Love...Twins
「え?何が?」
「美羽が久しぶりにちゃんと笑ったから。」

そういった恭ちゃんはまた手を動かしはじめる。

「そうかな?」

あたしは恭ちゃんの優しさに胸がいっぱいになった。

「無理は聞かないけどさ、美羽ってすぐ溜め込むクセあるから、俺でいいなら聞くからな」

あたしはなんだかんだ言って、いつも恭ちゃんに助けられてきた。
勇羽にオモチャやお菓子を取られた時も、小学校で男の子にイタズラされたときも、、、

あたしは今のキモチを誰かに吐き出したかった。
苦しくて、切なくて、もどかしいこのキモチを、、、

きっと今じゃなきゃ言えないし、恭ちゃんじゃなきゃ言えない。
恭ちゃんなら受け止めてくれる。
、、、そんな気がした。


「聞いたら、びっくりすると思うよ?あたしのこと変に思うかもしれないよ?」

気がつくと、あたしの口は動きだしていた。

「言ってみ?」

あたし達は料理の途中だったけど、ソファーに移って並んですわった。

「あたし、、、、、勇羽のコトが、、、、好き、、、みたい、、、」

恭ちゃんの顔が見れない。
あたしはピンク色のクッションに顔をうずめた。

「それで?」

恭ちゃんは意外と冷静に、あたしの話を聞いてくれる。

「勇羽はお兄ちゃんなのに、、、。最初は家族愛だと思ったよ?だけど違った。
だから、色んな方法で勇羽を忘れようとした。なのに、忘れようとするたびに空回りして、もっと深みにハマってくの。もうどうしたらいいのかわかんない、、、、」

あたしの涙をクッションが受け止めた。

「一回好きになった奴を簡単に忘れるなんて無理だよな。」

大きく伸びをしてそう言う恭ちゃん。
あたしは小さく頷いた。

「とくに美羽みたいにちゃんとしてるやつは尚更だよ笑
俺は、美羽が本当に勇羽のコトが好きなんだったらいいと思うよ。
恋って始まっちゃったらもうどーにも出来ないんだよ。恥ずかしいけどさ、俺
莉奈子に未練たらたらなんだよね。」

恭ちゃんは恥ずかしそうに頭をかいた。
意外だった。
もうとっくに吹っ切れてるのかと思ったのに。
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