Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
「ナニを思い出してるのかなァ~?」

調子を取り戻した早川が、田中の朱色の顔をつんつん突く。
そして、自分でもビールを呑みながら早川は感嘆の念を零す。

「それにしても、流石は桐生さん…
 私も勉強になります」
「そうそう、大人の女性ってカンジで、素敵れすっ。
 あ~っ、私もそうなりたい!
 経験豊富そうれすもんね、室長ぉ」

田中は両の拳を握り締め、足をじたばた揺らしている。
真実は空になったグラスをテーブルに戻して
右手をひらりと振った。

「何、バカみたいな事言ってるのよ。
 そんなに経験ないってば」
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