Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
「ン?まだ何か忘れ物してるっけ?」
均はバッグのファスナーを開いて小首を傾げた。
「ううん、忘れ物じゃなくて――…」
其処で少しだけ真実は言い淀む。
少し、声が震える。

「一昨年に結婚した私の従姉妹に…子供が生まれるんですって。
 ……お祝い、何がいいか相談したくて…」

その言葉に均は直ぐに頷いて
「ああ、そいつはめでたいじゃないか。今夜相談しよう」
明るい声で即答した。

素でそんなふうに答えてくれているのか、
そうではないのかは真実には分からなかったが、
少しだけ、胸のつかえが取れた気がした。

「ありがとう。行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」

均を見送ってから閉めたドアを背に、
真実は長い安堵の息を吐いた。
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