Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
身長164センチの真実も女性社員の中では背が高い方だが
黒野は180近くあっただろうか。

薄い白ピンストライプが縦に走る細身のネイビーのスーツに、
清潔感のある真白いワイシャツの首元を締めるのは
爽やかなライトブルーのネクタイ。
やや切れ長の鋭そうな瞳にシルバーブラウンのフレームの眼鏡が
よく似合っていた。

「初めまして、第一営業部の黒野雄司です。
 今日は宜しくお願い致します」

そう言って真実の前で丁寧に会釈した黒野はすらりと伸びた長身に
短めの髪を後ろに流しており、精悍な印象を受けた。

第一営業部と言えば、社内でも競争が激しい事で有名だが、
花形部門だ。社長の後継として、武者修行という目的もあっての
配属なのかもしれないが、25歳という若さで第一営業部に
残り続けるというのは、単なるお坊ちゃんでは不可能だ。
この会社が、彼の父でもある現社長が、
そんなに甘くはない事を真実はよく知っていた。
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