Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
誰も真実の胸の内に在るものを知らない。

抱かれる事によって愛されている事を実感出来るというのなら、
「私は………っ……」
益々、体が内側から冷えて行く気がする。
波紋によって醜く砕けた水面に、目を伏せた真実の顔が
ゆらゆらと揺らめく。

体の奥底に空いた穴から根こそぎ体温が抜け落ちて行く。
左肩を掴んでいた右手が力無く胸元にずり落ちる。
柔らかな膨らみの底から
微かにまだ心の器が脈打っているのが分かる。
< 74 / 146 >

この作品をシェア

pagetop