【完】短編集~幼馴染み~
ヤバイ、泣いちゃいそう…。
「ゆう、ひ。あたし、用事思い出したから、先に…行くね?」
もう、ここにいるの、辛いよ。
「おぅ、分かった!じゃぁな」
「ん、じゃぁね」
あたしは、走り出した。
視界が揺れる。
あぁ、あたし、
泣いてるんだ。
止まらない涙は、どうすればいいの?
あたしは家に着くと、あたしはすぐに自分の部屋へ行き、
ベッドに潜り込み、声を殺して泣いた。


ーーずっと、ずっと。

一途に、キミだけを、想ってきた。


思い続ければ、いつか報われると、思ってきた。

信じてきたーー…。

だけど、ダメだった。


あたしの恋は、報われなかった。

信じても、ダメだった。


キミの気持ちは、もう…


他の人の、ものなんだから。


あたしは、大好きな人の名前を呟きながら、泣き続けた。


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