【完】短編集~幼馴染み~
――次の日


「いらっしゃい」
家に来た美琴を部屋にいれる。

「どうしたの?紗季が相談って、めずらしいね」
「…うん。あのね、あたし…風馬に告白されたの」
美琴、驚くよね…。
あたしも驚いたもん。

「そっか、風馬くんついに告白したんだ」
「…え?美琴、驚かないの?」
「だって、知ってたもん。風馬くんが紗季を好きってこと」

…美琴には、言ってたんだ。

「あ、勘違いしないでね?風馬くんは直接あたしに言ってないよ。あたしが気付いたの。で、『紗季のこと好きなの?』って聞いたら、凄く顔赤くしたの」

気付いてないの、紗季くらいだよ?と付けくわえ、美琴は言った。

「あたし…自分の気持ち、分んない。風馬への好きは、恋愛としてか、幼馴染みとしてか…」

「…あたしは、紗季は風馬くんのこと好きだと思ってたよ?」

「へ?なんで…?」


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