【完】短編集~幼馴染み~
「――…よし、決まり!あとは自由にしていいぞー」
その一言で、ガヤガヤと騒ぎだす。

鈴は彗の制服の裾を掴み、
「今日も…ありがと、ね?」
「んな、改めて言うことじゃねぇだろ。ほら、今日決まったこと、今のうちに2人でまとめようぜ」
「…うん!」

2人で今日決まったことを紙にまとめ、担任の机の上に置いといた。

「なー、鈴。テスト近いからさー、勉強教えて」
「仕方ないなぁ。じゃぁ、ノート出して?分んないとこどこ」
「全部っ」
「…毎回のことだけどさ…なんで全部なの」
「さぁ?」
「じゃぁ、今日、家帰ったら彗の家行ってもいい?教えるから」
「やった!」


頭だけが取り柄の鈴は、こうやって彗に勉強を教える。

それが苦だとは、思ったことはない。




< 304 / 587 >

この作品をシェア

pagetop