【完】短編集~幼馴染み~
「こいつ、俺のなんだけど」

こ、この声…っ

「勝手に、触んな」

「り、くと…」

「チッ、男待ってたのかよ」
「いこーぜ」

そう言って、男の人たちは帰っていった。

「…のん、お前なにしてんだ」
「生徒…手帳…っ…」
「は?生徒手帳」

久々に…“のん”って呼ばれたな…。

あたしは生徒手帳を陸斗に渡す。

「朝…陸斗が落としたの…見て。届けなきゃ…って…それ…で…」
「はぁ……」
「迷惑…だったよね。ごめ…なさい…」
「うん、迷惑」

―――ズキンッ

「お前に何かあったら、どうすんだ」

―――え?


「……さっきだって、焦ったんだからな」


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