【完】短編集~幼馴染み~
「陸斗……」

「無事で、よかった」

頭を撫でられ、安心しきってか、膝がガクッとなった。
だけど、陸斗が抱きとめてくれた。

「…っぶね」
「ごめ…」

ヤバ、立てない…。

「怖かった?」
「…ん」
「今度からは場所、ちゃんと考えろ。ここ、男子校。
狼がいっぱいいんだよ」

「おお…かみ?」

なんのこと…?

「ハハっ。ま、のんは知らなくていいよ。
もう、歩けそうか?」

「あ、うん…」

「帰るか」

「え、それって…一緒に?」
「どうせ、同じ方向だろ」

「うん…っ!」


久々に一緒に帰る…。

それだけで、嬉しかった。


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