【完】短編集~幼馴染み~
敦志は手紙の内容をみて、目を見開く。

あたしはクスッと笑って、言った。

「あたしの気持ちは、昔のまんま。
敦志が、だーい好きっ!!」

「は、え、マジ…かよ」

「マジだよ。昔から、敦志しか見てない」
「じゃぁ俺らって…ガキのころから両想いだったのかよ」
「アハッ、そうっぽい」

敦志はヘナヘナとしゃがみこむ。
あたしも目線を合わせるようにしゃがむ。

「あ~~、遠回りしすぎだろ、俺ら」
「いいじゃん。今日からあたしの彼氏になってくれるよね?」
「ったりめ~だろ。気づかなくて、ゴメンな。
遠回りした分、これからも大事にし続けるから」

「ん。大事にしてね、敦志」

ニコリ笑うと、後頭部に敦志の手が回り、
グイッと引き寄せられた。

そして、

―――チュッ


キスを、した。




< 397 / 587 >

この作品をシェア

pagetop