【完】短編集~幼馴染み~
「そっかぁ…。なんだ…。
女の子だったんだ…」

あたしと同じ、女子高生だったんだ。

どうしてだろう。
嘘を、つかれたのに…宇野さんのこと、憎いだなんて思わない。
だって、彼は…。
ううん、彼女は…きっと。絶対に…
あたしを思って、嘘をついたんだ。
宇野さんは…そういう人だ。

それに……宇野さんは、女の子なのに……

あたしを、痴漢から守ってくれた。

あの綺麗な手は、女の人だったから、なんだ――……。

「かっこよすぎですよ、宇野さん」

ホント…かっこよすぎる。
相手を思って、嘘をつけるなんて。

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