【完】短編集~幼馴染み~
あ、救世主発見!
「夏弥!」
「ん?葵、おはよ~」
「おはよ!」
「あ、石原!おはよ」
「えっと、葵と仲いいヤツだよな。えっと?」
「あぁ、あたし東!東夏弥だよ」
「東な。OK!おはよ、東」
「か、夏弥!早くいこ?」
「え、なんで??」
分ってるくせに夏弥のいじわる~~!!
ま、2人きりより…いっか。
「てか、石原って中学んときに引っ越したんだよね?」
「ん?おう」
「そのときさ、葵に――……」
ちょ、夏弥、もしかしてキスのこと言おうとしてる!!??
あたしは咄嗟に夏弥の口を抑えた。
「ムグッ、…ん――」
「ん?なに?」
「なんでもないよ!ね、夏弥!」
コクコクと頷く夏弥を見て、あたしは手を離した。
「あ、葵…殺す気!!??」
「夏弥、ぜ――ったいにあのことは言わないで!!」
「あのことって?」
健太が聞いてきた。
「なんでもない!健太には関係ないこと!!」
あっ、言いすぎた…??
「だよな、男が聞いても分んネぇことあるしな!」
「…健太、ごめん」
「ん?なにがだよ!それよか早く行こうぜ~」
そう言って健太はあたしの手を引いた。
「ちょっ、~~~」
夏弥は困っているあたしを見てクスクス笑いながら後ろからついてきた。
健太に触れている部分が…

熱くて、仕方ない―――。


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