【完】短編集~幼馴染み~
「あたしは…昔から、健太のことが好きだったよ。もちろん、中学の時も。だからね?ホントに別れるのが辛かった。健太がキスして…ビックリしたよ。健太の気持ちもわからないから、どうしていいのか分らなかった。だから、忘れよう、諦めようとしたの。…なのに、健太がいきなり…戻ってくるから…」
健太はあたしの目をしっかりと見て、あたしの話を聞いてくれていた。
けど、やっぱりその瞳は、不安そうで…。
「…好きだったときの気持ちが、一気に蘇った。ううん、会えない時間で、もっと…大きく膨らんでた。王様ゲームのキスは、悲しかったよ。…遊びでキスなんて、したくなかった。健太にとって、キスって軽いものなのかな?って思った。…だけど、今の健太の気持ちを聞いて、嬉しかった」
あたしは一呼吸し、
「あたしも、健太のことが今も昔も、大好きです」

その瞬間、


――ギュッ、と健太があたしを強く抱きしめた。


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