セックス·フレンド【完結】
「そう…」


急に深刻になった詩織に、あたしの胸の動きが加速する。


けれど、なんてことなさそうに、「どうして?」と訊ねた。


「ん、実はね、最近、竹内さんが元気なくて。それで、前に会社の飲み会があったとき、彼氏とうまくいっていないようなことを零したから気になって」


「へぇ…」


緊張で高鳴っていた胸が、今度は期待で膨らんだ。


竹内ミキと隆也がうまくいっていないことを、実はあたしは知っていた。


けれど、それは、隆也の口から聞いたものであって、半信半疑だった。


でも、竹内ミキ本人もそのことを認めているなら、真実なのだろう。


「あたしは関係ないよ。だって、ずっと隆也とは会ってないし」


詩織に嘘をつくのは心が痛い。


長年の付き合いで、あたしの嘘を見抜くかもしれない。


あたしは、慎重に言葉を選んだ。
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