セックス·フレンド【完結】
鳴らした電話は、幾度も呼び出し音を繰り返し、最終的には留守電に切り替わってしまった。


もしかしたら、今日は夜勤だったろうか?


それとも、飲み会?


まさか…。


そこであたしは、最悪の事態を想像した。


竹内ミキと会っている?

いけない。
そんな考えを持つのは。


気を取り直して、あたしは、もう一度リダイヤルをプッシュする。


けど、さっきと同じように無機質な呼び出し音が繰り返され、再び留守電へと切り替わった。


仕方なく、あたしはメッセージを残した。


「美杉です。近々話したいことがあるので時間を作って下さい。連絡待ってます」


窓を開けると、目の前には漆黒の闇が広がった。

見上げた夜空には、たくさんの星が瞬いている。


たったそれだけのことに慰められた。


まだ、希望を捨ててはいけない。もしかしたら彼はあたしを…。


別れすら覚悟したはずなのに、まだ期待している自分がいるのに、ため息が漏れた。
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