セックス·フレンド【完結】
ぎゅっと強く唇を噛み、目をつぶった。


隆也を失った時のことを考えてみる。


それだけで、動機がした。


めまいがした。


涙もこぼれた。


隆也を愛し始めた時点で、あたしは、彼を二度失う覚悟が必要だったということを今になって思い知る。


もしも、完全に断ち切られたなら、立ち直る自信は、はっきり言ってない。


でも、そうなったらそうなったで仕方ないのかもしれない。


それが、あたしの運命なのだと受け止める他ないだろう。


今みたいに宙ぶらりんな関係を続けていても、きっぱりと振られても、どちらにせよ、苦しい。



ならば、そろそろ彼の本心を知りたい。


そう考えたら、いてもたってもいられなくなり、あたしは隆也に電話をかけた。
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