記憶の向こう側




「…な…ん…で……」





それよりも、私の方が動揺していた。




声が、震える。





まさか…


勇樹が梓さんと…、浮気?





気が付くと私は、落ちたバッグもそのままに、走り出していた。





「叶恵!待てよ!」




勇樹の焦った叫び声が遠くに聞こえたけど、私は止まらなかった。






とにかく…遠くに逃げたかった。




それしか考えられなかった。





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