記憶の向こう側
「叶恵?」
誰かが私を呼んでいる。
私は声のする方へ顔を向けた。
すると…
勇樹が心配そうな表情で私を見ていた。
「ゆ、勇樹…?」
「気付いたのか?」
勇樹の顔が、ゆっくりと安堵の表情に変わっていった。
そして、勇樹の横から女性が顔を出した。
「叶恵ちゃん!…良かったぁ。今、島川先生呼んでくるわね。」
…梓さん。
梓さんも安心した様子に見えた。
私はどうやら病院にいるみたい。
しかも、この見慣れた光景といい、島川先生を呼びに行った梓さんといい…。
ここは、私が通院している病院だ。