記憶の向こう側
女将さんは一呼吸置いて、少し穏やかな口調で言った。
「勇樹くんに…、助けてもらったんでしょ?」
「ゆ…、ゆうき??」
だ…、誰、それ?
私の疑問の表情を読み取ったらしい女将さんは、きちんと答えてくれた。
「ええ、うちに弁当の仕出ししてくれてる業者の子。手当てしてもらったんでしょ?」
あの…、割烹着姿の彼のこと!?
「あ…、はっ…はい。」
どうやらあの彼は、「ゆうき」という名前らしい。