いただきます。


朝は必死過ぎて気づかなかったけど、風が気持ちい。


すぐに病院につくと、猫は点滴中だった。


「あなた達に拾われたこの子は本当に幸せね。」


ガラスばりの診療室を背伸びをして覗く私と、大き過ぎて見づらいのか、頭を傾げて見る歩に朝の看護婦さんが言った。


「もうすぐ点滴終わるわ。そしたら起きると思うから・・・」


ミャー ミャー


・・・?子猫の声?


「声がする。」

歩が言うのは子猫の声だろう。
でも看護婦さんには伝わらなかったらしい。


『他にも子猫がいるんですか?』


「・・・ッ。居るのよ。朝に一匹だけ病院の前に捨てられてたの。」


あなた達には見つかりたくなかった。と言う看護婦さんが連れて来たのは真っ黒な子猫。


「あっちの猫はあなた達に救われた命。
あなた達が1つの命を守ったのに、もしかしたらこの命は消えてしまうかもしれない。

残酷よね。」


・・・本当に残酷。

一体なんの為に産まれてきたのか?


もし自分が猫や犬だったら?


考えただけで辛い。



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