squall
「惑わされるな!」


ひとり。

私は私に向かって、強く言い聞かせる。

幸せのため。
余計な不安はなくさなきゃいけない。

私は惣一と。


「幸せになるんだから」


―幸せに…


その声が、しん…と静まりかえった部屋に響く。

そして。

飾ってある、写真の中の惣一と、目が合った。


「…ごめんね。惣一…」


< 110 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop