squall
それがいいのか悪いのか。
私には判断すらつかなくなっていて。

仕事をしてる間だけは。
いつもの私でいられた。

ある意味。
逃げ道、だったのかもしれない。

惣一が式場をキャンセルしてしまったのか。
式場に問い合わせようかとも思ったけど、怖くて出来なくて。


「萌、今日も残業?」
「んー。ちょっとね。来週の会議の資料、手間取っちゃって」
「手伝おっか?」
「大丈夫。気にせず帰っちゃって」


佳世にはやっぱり、いつも通りに振る舞いつつ。

なるべく考えなくて済むように。
残業を続けていた。

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