squall
ビルの入り口。
ドアが開いたのに気づいて。
出てくる人影。
その入り口に視線をうつすと。


「!!」


少し、距離はあったけど。
間違えるはずがない。

出てきたのは、惣一で。


「っそ…!」


惣一!

叫んで。
その信号を、渡ろうとした時だった。


「!廣橋っ…!」


後ろから、腕を掴まれて。


「!?」
「死ぬ気か!?」
「…えっ?」


どうやら信号は、赤だったらしい。

その声の主に振り向いて。


「―――――」


私は。
一瞬、呼吸を忘れた。
< 202 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop