この窓を飛び越えて…
またまた視界に入ったのは“彼”。
黒髪が風に揺れてふわりと浮き上がる。
怠そうにしている表情…それは初めて見るもので。
わたしのことは決して見ていないのに、彼の横顔だけで高鳴りが激しくなる。
まるで、一人魔法にかかったみたいに。
隣の麗奈ちゃんも、
興奮しきっている周りの煩い人も、
必死に落ち着かせようとしている先生も。
何一つ、わたしの目には入ってこない。
そればかりか、
これから“あの人”とたくさん話して、たくさん一緒にいれるかもしれないなんて……
一度しか見たことないあんな怠そうな表情も、
あまり見せない微笑みも、
助けてくれた時のあの真剣で焦った顔も、
また………見れてしまうってことで…
行き過ぎているであろう考えが次々に浮かび上がって…。
頭はパンパンになった。
「りっ…莉桜?!」
こんなことで麗奈ちゃんに倒れ込んでいるわたしが、
一体、耐え切れるのでしょうか……?