狂愛の鳥籠
九滴
「…うぁぁあああ!イオ!イオ!!」

倒れ込んだ彼女にうずくまる。

「そんな…イオ…。愛してる…愛してる…愛してる…愛してる」


顔をあげ、彼女に刺さっているナイフを、引き抜く。

そして彼は突き刺した。
自分の心臓を、戸惑いもなく。

鋭い痛みが一点から身体全体へ伝わる。


「ゔっ…ぁ…イオっ」

歪む彼の顔。


彼は床に横たわる。
彼女と寄り添い、二人で
逝けると信じて。


共に流れる赤いモノ。
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