Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「え…あの…私何か…?」

「あ、ううん。平気平気。そうだよね、ひなちゃんの近くにはすごい先生がいるんだった。」

「すごすぎて…全然追い付けないし手なんて届かないですが…。」


倉持さんなら…朝比奈さんの満足するようなケーキ、作れるんだろうなぁ…。
ってダメダメ。そんなこと思っちゃ。
そう思うのに、良くない方向にばかり思考が回っていく。


…朝比奈さん、どうして私にケーキを依頼したんだろう…?
倉持さんに頼めば、きっと…ううん、絶対私が作るよりも美味しくて、見た目も綺麗なケーキが手に入るのに。


「あ、あのっ!」

「なにかな?」

「朝比奈さんは…どうして私にケーキを頼もうって思ったんですか?」

「え…?」

「だって…倉持さんの方が経験もあるし腕も確かだし…。」


言ってて虚しくなってくる。
…本当は依頼主にこんなこと訊くなんて間違ってるって分かってる。
依頼主に不信感を与える発言をするなんて、良くない。
私の信用だけじゃなくて、キューティーブロンド全体の信用に関わること。


…それなのに。
今、訊いてみたいと、そう思ってしまった。


「その答えはこの記事の中に。」

「え…?」


差し出されたのは、字がたくさん書いてある原稿だった。

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