Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
…こんなに私の味を大切に想ってくれているのに、私は…
朝比奈さんの依頼さえ、サクサクとこなせない。


「シュークリームは…作れるのに…。」

「…そうだね。ひなちゃんのシュークリームは僕の大好きな味だよ。」

「あ、朝比奈さんのこと、もっと教えてください!」

「へっ?あ…そ、そういえばそういう話だったよね。
うん。何でもどうぞ。なんでも訊いて?」

「お…お名前をっ…!」

「そこから?」


くすっと笑われる。…う、し…失敗した…名前はちゃんと知ってるのに。


「朝比奈佑介、24歳。血液型はO型で誕生日は12月28日。」

「え…誕生日、12月なんですか?」

「うん。クリスマスのせいであんまり祝ってもらえないんだけどねー。」


笑いながらそういう朝比奈さん。
私は頑張ってメモを取る。


「あ、話すスピード、大丈夫?」

「だ、大丈夫ですっ!」

「出版社勤務で雑誌の記事書いたりしてます。
んー…あ、最近ハマっていることはスイーツ巡りの旅。甘いものは大好きです。」

「スイーツ巡りの旅…いいですね…。」

「ひなちゃんはしないの?他のお店のケーキ食べたりとか…。」

「い、今は倉持さんのケーキで勉強、充分間に合ってるのであんまり…。」

「確かに倉持さんのケーキはすごく美味しいよね。見た目も派手で綺麗だし、バランスもすごくいい。」

「はいっ!倉持さん、普段はすごく厳しいけど…尊敬してます。」

「…もしかして、憧れ?」

「はいっ!あんな風にケーキを作れるようになれたらなぁって…思います。」


そう言うと、一瞬だけ朝比奈さんの表情が曇ったような気がした。

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