Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「味も見た目も悪くない。
インパクトこそないが、…お前らしいんじゃねぇの?」

「ほ…ホントですか?」

「…ああ。俺のには及ばないが合格点だ、ひなた。」


〝合格点〟
…作りたかったものが、作れることはとても幸せなこと。
そして、その作ったものが誰かを笑顔にすることはもっともっと幸せなこと。


「和哉がそう言うなら問題ない。」


増田さんがいつも通りのトーンでそう言った。


「あのっ…増田さんの評価も知りたいです。」


私がそう言うと、増田さんが少しだけ驚いたような表情をした。


「…珍しいな。人の評価を聞きたがるなんて。」

「増田さんの言葉で聞きたい…ので…。」

「…そうか。
和哉も言ったが、ひなたらしい味だと俺も思う。
尖っていない、自己主張しすぎない。だから全体が上手くまとまっている。
見た目のインパクトは確かにないが、味のインパクトはある。
ベースの甘さが控えめだからこそ、個々が生きている。
…御苦労だったな、ひなた。上出来だ。
あとは依頼主を満足させられるかどうか、だな。」

「それは大丈夫だと思うけどなー。」


チャコさんがさらっとそう言う。


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