江戸時代で逆ハー状態!?

*誘惑男*




外に出た私は、
初めて見る江戸の景色に見とれていた。



昼間でも、こんなに綺麗で、
派手なイメージだ。



今の東京も好きだが、
東京とは比べ物にならないほどの美しさがある。



ドンッ



キョロキョロしながら
歩いていると、
人とぶつかってしまった。



「あ!ごめんなさいっ!」



ぶつかった人の顔を見ると、
髪の色は黒と言うより紫っぽく、
右目には泣きぼくろ。


一度見たら目が離せなくなるような美しい顔立ちで、
今の江戸にはピッタリだった。



「いや、別に
お前、大丈夫かよ。」



見とれている私を
不思議に思ったのか、
顔を除きこんでくる。



どきん…



大きく胸が高鳴ったのがわかった。



だってこんな…
こんな綺麗な顔で
除きこまれたら…



そんな私の気持ちがわかったのか、
それとも
私がわかりやすかったのか、
微かに笑うと



「テメェの面、
林檎みてぇに紅くて
可愛い…」



と言いながら
私の頬に手を寄せる。



絶対、女なれしてるっ!



そうは思うけど
やっぱりどきどきする…



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