臆病な初恋。
「随分と話が長くなっちゃったね。
瞳ちゃん、いつもので良いのかな?」
「うん、いつものでお願いします」
私はいつも、紅茶とサンドウィッチを注文する。
ここのサンドウィッチのタマゴは、どこのお店よりも美味しい。
しばらくして、おばさんが注文したものを運んで来た。
「ごめんなさいね、おじさんの昔話に付き合わせちゃって。
ゆっくりしてってね」
「はい、ありがとうございます。
いただきます!」
両手を合わせて挨拶すると、おばさんは優しく笑って立ち去った。
相変わらず綺麗な人だなと感心する。
それだけじゃない。
性格もとても優しい人だ。
これじゃあ、おじさんがずっとおばさんを大切にするのも分かる。
私達…私と亜清は、もしあんな事がなければ 、今頃どうなっていたのだろう。
まだ仲が良かった頃に、私は亜清に告白された。
返事は 〝私も、亜清の事が好き。〟 と返すはずだった。
そうなると私と亜清は付き合う事になっていたわけだ。
両想いだったのだから。
付き合っていたなら、今もあの頃と変わらずに一緒に居られたのだろうか。
それとも、結局別れて今と同じように離ればなれになっていたのだろうか。
温かい紅茶の湯気を見ていると、物思いに耽けてしまう。