臆病な初恋。
「んで?化粧してたって言ってたけど、何か用でもあるわけ?」
「うーん、暇だから散歩とか可愛いショップにでも行こうかなって思って」
「ふーん」
「亜清は?」
「は?俺?おまえを誘おうと思って、電話しただけ」
亜清が?…私を誘おうと?
「あー、でもおまえ、散歩したり似合わねえ可愛いショップ行くんだもんな。
また誘う。じゃあ「ちょっと待って!!」
電話を切ろうとする亜清の言葉を、急いで遮る。
「なんだよ」
「ねえ、私を誘ってくれようとしたんでしょ?」
「そうだけど」
「暇だから無理矢理予定立てただけなの!
亜清、私と遊んで!!」
「なに、俺で暇を潰そうとしてんの?」
「違うよ、亜清と遊びたいの!!」
思わず本音が出てしまった。
しかも大声で。
後悔と恥ずかしさが、一気に押し寄せる。