抹茶な風に誘われて。
「そっかあー、一人で誰にも言えずに悩んでたわけね。まったく可愛いんだからっ。そんな顔してたら、余計に襲いたくなっちゃうだろうなー静先生も」

「ゆっ、優月ちゃんっ……!」

「こればっかりは、回数重ねていくしかないからねー。それと、お互いのキモチ次第。大丈夫、リラックスして全てを静先生に任せればいいんだって。大切にしてくれてんだからさー、きっと痛くないように優しくしてくれるよ。慣れたらすっごいキモチいいんだから、体の力抜きな? きっと静先生の腕なら、天国に何度でも……いやーん、うらやましいっ!」

「コラーッ、優月―っ!! あたしがいない間になんて話してんのっ!」

 真っ赤になりながら飛び込んできた咲ちゃんが、あわてて私を守るように間に入る。

 けれどもう時既に遅し、で――私はこれ以上ないくらいに完熟リンゴになって、ふらっと倒れてしまったのだった。

「愛があれば、万事オッケーだって」

 なんて悪びれずに続ける優月ちゃんの言葉が、半分意識の飛んだ頭の中にぐるぐると回っていた。
 
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