抹茶な風に誘われて。
「なんだ……お花、好きな人だったんだ」

 きちんと手入れされた花たちに迎えられ、なんだか緊張がゆるんでいく。

 初対面で勝手に怒って、勝手にあれこれ想像して、勝手に緊張までしていた自分が馬鹿らしくなった。

「今度こそ、ちゃんと謝ろう」

 決意を口に出して、手にした花束をもう一度眺める――淡い赤、優しいピンク、そして清楚な白のナデシコたち。

 花びらの端が糸のようになっている、とても繊細なイメージの花だ。

 大丈夫、きっと笑ってくれる。

 私はそう信じて、四度目の再会のための、小さなチャイムを押したのだった。

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