「愛してる」、その続きを君に
ここにいる綾乃だってそうに違いない。
今のこんな自分に説教でもしに来たんだろう。
もうたくさんだった。
「みんな俺を変な目で見やがって!!言いたいことがあるなら言えよ!」
信太郎は足元の砂を蹴散らした。
だが、海風にのってそれらは彼のズボンを汚すだけ。
ふいに綾乃の淡々とした声が聞こえた。
「天宮くんがそれを望んだんでしょ」
「何だって?」
ぴくりと片方の眉毛があがる。
「この町の人からそんな目で見られるのを承知で戻ってきたんでしょ。ここを離れることだってできたはずなのに、それをしなかったのはあなたじゃない」
すっくと綾乃が立ち上がり、振り返った。
「夏海さんがいないと、天宮くんは何もできないのね」
「……」
「夏海さんはあなたがいなくても、一生懸命頑張ってたわ」
「…えらそうに何だよ」
「あなたがいなくても、必死に生きてたわよ!」
「君に何がわかるんだよ!」
信太郎は叫んだ。
喉が焼けるように痛む。
「俺のこと何も知らないくせに、余計なお世話なんだよ!」
すると綾乃は頬にかかるいく筋もの髪を払うと、「ええ、天宮くんの言う通り、何もわからないわよ」と平然とした顔を向けてきた。
「意気地なし、ということ以外はね」
「黙って聞いていれば好き勝手なことばかり…」
信太郎はこぶしを固く握り、綾乃に近づいた。