「愛してる」、その続きを君に

ナツ。おまえ、言ったんだってな。


「私には、愛してる、その続きを夢見ることもできない」って。


そんなことない。


今でもそう思ってるんだったら、それは大きな間違いだ。


だからそんなこと絶対に言うなよ。


5年、いや3年待て。


俺が、おまえとの愛を形にしてみせる。


いかに、この愛が深く優しく、この上なかったか。


俺たちの「愛してる」、その続きをおまえに見せてやる。


そのことだけに、俺は一生を捧げる。


ナツのその瞳も、その声も、その笑顔も…


おまえの全ては、今でも俺の中で生きてる。


決してこの想いは、生涯渇くことはない。


この愛だけが俺の生きる唯一の理由だった、と


いつかこの命がついえる日に、


この魂が永遠の眠りにつく日に、


おまえに伝えたい。


お願いだ、ナツ。


想い出の星が降るこの町で、ずっと俺のそばにいてくれないか。


頼む。




さてと、今夜はこのへんにしとくよ。


俺の性格からして、初めから張り切ると長続きしないから。


わかってるだろ、おまえのことだから。


じゃあ、また夢で逢おう。


絶対に逢おう。


毎晩待ってるから。


おまえが逢いに来てくれるまで、待ってる。


      信太郎より


追伸。



今夜は、いつもより風が優しい。


まるで


おまえみたいだ。





━━━完━━━
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