光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「…良かったね、佐奈さん」
一部始終をずっと傍で見ていた学園長が、タイミングを見計らって口を開いた。
お母さんから借りた優しい香りがするハンカチで目元を拭い、彼に向き合う。
「学園長先生…。ありがとうございます」
「いや、私は何もしてないよ。佐奈さんが詩織さんにどんなに反対されても諦めなかったからこそ、この結果になったんだ。
自信を持ちなさい。さっきの演奏は、体験入学のときよりも遥かに上達していた。君の努力は、ちゃんと実っているよ」
「はい…。ありがとうございます!」
素直に褒めてもらえてまた涙が出そうになるけど、ぐっと我慢してお辞儀をした。
お母さんの言う通り、今はまだ涙を流さないでおこう。
嬉し涙は本当に夢が叶ったときにこそ、流すのにふさわしいはずだから……。
「……これで、やっと君にこの話をしてあげられるようだね」
学園長は安堵した表情で、持っていた平たい鞄からファイルを取り出した。
そこからパンフレットのようなものを取り出すと、あたしとお母さんの目の前に差し出す。