光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「一生の別れじゃないんだから、またみんなで会えるよ。……っていうか、絶対に会おう!学校が違っても、いくらでも会えるんだからさ、ね?」


「明日美~……」




明日美の言葉で、流歌はさらにハンカチを濡らす。



……離れていても、あたし達はずっと友達。


そんな希望がこもった言葉に胸が温かくなって、あたしは笑顔を明日美に向けた。




――明日美と流歌も、無事に志望校に合格した。



その知らせを昨日聞いたときは本当に嬉しくて、3人で抱き合いながら喜んだんだ。



みんなが、前に向かって進んでる。


しかも描いている夢に向かって、着実に近付いているんだ。

一歩一歩、確実に。



それは喜ぶべきことだけど、寂しさが胸を掠めたのも事実で。


受験の前から二人と歩く道が異なっていくのは分かっていたことだけど、やっぱり離れ離れの未来を想像するのは悲しかった。



だけど……大丈夫だよね。



そんな願いを込めて、精一杯の気持ちを伝えた。




「……そうだよ!明日美の言う通りだよ。会おうと思えばいつでも会えるんだし、また3人で遊ぼう!ずっと友達なのは変わりないんだから」


「佐奈……。ぐすっ。そうだよね。あたし達、ずっと友達だよね」


「そうだよー。だから流歌、泣き止んで」


「うん……ありがとう」




流歌はハンカチで涙を拭うと、やっと笑顔を見せてくれた。



卒業は別れの瞬間でもあるけど、新たな旅立ちの瞬間でもある。



そんな日なんだから、泣き顔よりも笑顔の方が似合うよね。



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