百物語

┣15本目 キャンプ

こわ!!

…いや、すみません…。

あんまりにもおっかないものでつい…

じゃあ、今度は俺の怖い話を。

俺、こうみえて結構キャンプが好きで…


キャンプってか自然とダチわ騒ぐのが好きなだけなんだけどさ。

その時もキャンプしてて、夜になって仲間と一緒にバカ騒ぎして…まぁ、結構酔ってたからすぐ寝たわけ。

そしたらさ、んー…あれは深夜2時過ぎだったと思うんだけど…トイレに行きたくて起きたんだよね。

で、夏っつっても夜は寒いから『さみー』なんてぼやきながら本当はダメなんだけどそこらへんで用を足してたんだよ。

そいで一服がてら星が綺麗な岬っての?


あそこで『あー、きれーだなぁ』ってくさいこと呟いてたらさ


『おにーちゃん。こんばんは』


っておさねぇ女の子の声が聞こえたから横を見たら10歳ぐらいの赤いワンピース着た女の子がいつの間にか俺の横にいたわけ。

こんな夜中にガキんちょ一人で何してんだ?とは思ったんだが、なんせキャンプシーズン真っ只中だったからよ。

ガキがいても気にならなかったんだよな。


だから普通に返してやった。

『おー、こんばんは。お嬢ちゃん』

『お兄ちゃんは何してたの?』

煙草吸いにとはなんとなく言いたくなくて『星見に』って答えたんだ。

するとまた質問してきたんだ。

『なんで?』

『んー?いや、星は綺麗だからな』

『どうして綺麗なの?』

あんまりにも質問が多いから俺も流石にん?ってなったんだよな。
それも、変な質問が多いからよ。

だって、普通星が綺麗な理由なんてねーだろ?

でも、まだ酔いが冷めてなかった俺はそこまで変だとは感じなかったんだろーなぁ…。

『どうしてってお前…キラキラ輝いてるだろ?』


俺がそういうとピリッと空気が冷たく変わったんだ。

『…輝いてるから綺麗なの?』

『そうさ』

俺がそう答えるとその子は突然空に向かって指差したんだ。

『あのあかいちーさな星…見える?』

指差す方を見ると微かながら小さな赤い星が見えたんだ。

『あぁ、見えるぜ』

するとすっと…その下の崖を指差した。

『星ってね命の欠片なんだよ。そして、人が死んだ上に生まれる…』

次の瞬間、女の子は俺の目の前にきて…

『--あそこで私は死んだの。そして、お星様になったんだよ…』


そう言うその子の全身は血塗れだった。

『…だから、綺麗に感じるのかな?…人間の魂なのにね』

ゾッとするような声で、そう言うとケタケタ狂ったように笑いだした。

…そこで、俺の意識はなくなったんだが…赤いワンピースが頭から離れなくなって心霊が嫌いになったわけさ。

夢であって欲しいがね…。星だけに。

--フッ シュポ
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