かふぇもか

夢の架け橋

実家から15分程車で走った所に仮設住宅はあった。


「ただいま~」


何件も並んだ一角にある仮設住宅のドアを開けると、珍しく父もいた。


どうしたの?と尋ねると、会社も洪水被害に遭い、泥水の清掃の為今週1週間は休みだということだ。


「紗美~」


洪水で心細かったのだろうか、母が抱きついてきた。


わたしは母の背中を擦りながら、


「怖かったね、大変な思いをしたね」


と言って慰めた。


同じく避難所で避難していた真理と健介は、洪水の水が引いて無事にアパートに戻れたそうだ。
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