太陽と雪
翌朝、フランスの別荘からリムジンに乗って、藤原の面会に行った。

しかし、受付の女性に言われた言葉は…
昨日と同じ。


「申し訳ございません、藤原 拓未氏は面会謝絶となっております……」


「藤原、そんな悪いの?」


「まあ、小さい頃から気管支炎と喘息を患っておられましたからね……。

絶対安静なのです、どうかご理解ください、彩さま」


どこか聞き覚えのある声。



「高沢!」


まさか…高沢……
藤原がまだ生きていること……知っていたの?




高沢が昨日会っていた知り合いって……
もしかしなくても藤原のこと?



その答えは、半分当たっていたんだ。



これは、私の推測だけど……


高沢なんじゃないかしら?


藤原の入院管理その他の仕事をしていたの。


そうじゃなきゃ……病状とか……
詳しくないわけがない。


まあ、まだ藤原がお屋敷にいた頃から専属医師ととしていたからね、高沢。

その頃は専属医師見習いだったけれど。


でもそれなら……
見知った私には伝えてくれてもいいのに……

まあ、いいわ。

人にはそれぞれ、言えない事情が一つや二つ、あるものだし。



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