十三日間
そして、寝る前に、またラベンダーの小瓶を手に取る。

最初の日以外、結局これは効いてないみたいだ。

それでも、もしかしたら、これを使っているから、あんな物ですんでいるのかもしれないし。

僕はそう思って、昨日よりもさらに多い量を、枕と、パジャマと、布団にたらした。
ちょっと悩んで、自分の首のあたりにも一滴たらす。

香りはいつもより強く漂ってきた。

大丈夫。
今日は大丈夫。

人生で一番幸せなことがあった日だもん。
きっと、今日はみくるちゃんの夢を見るに違いない。
みくるちゃんと、もっとデートしてる夢とか、見ちゃうかもしれない。

…どうか、そうでありますように…!

手を強く握り合わせ、相変わらず何に向かってかは判らないけれど、僕は一生懸命に祈った。

どうか、みくるちゃんの夢を見ますように…。
< 128 / 267 >

この作品をシェア

pagetop