十三日間
たいてい、朝起きた時の俺の声に、何かしらの反応をかえしてくるじぃさんが、今朝は何も言ってこない。
多少心配になって、隣の物音に耳をすませてみる。

じぃさんの寝息らしきものが聞こえてくる。

昨日は、あれだけ興奮し、遅くまで泣いていたんだ。
普通に目が覚めなくてもしょうがないだろう。
どうせ、朝飯の時間になったら、看守にたたき起こされる。

俺は、なるべく物音をたてないように気を付けることにした。

身動きができないので、自然とその場で出来ることをするしかなくなる。

すなわち、考えること。
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