十三日間
全ての教育が終了すると、俺たちは普通に社会に放たれる。
今までの事は、なかったかのように振る舞わねばならない。
与えられた仕事によっては、別に全て隠さなくても良かったり、教育の延長のような仕事をすることもある。

だが、全ては「国」のため…いや、現「政府」のために、俺たちは働かなければならないのだ。

裏切りは、死を意味する。
一度仕事を与えられたら、連中から何か言ってくるまで、忠実にその仕事をこなさねばならない。
自らの意思とは関係なく。
従わない者には、死が待っている。

さまざまな職業の中に俺たちはばらまかれ、もぐりこまされた。

そして、最優秀生だったこの俺は、特に職業を与えられなかった…。

その時に応じて、連中の好きに使える手駒。

それが、俺だった。
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