十三日間
最初に社会に放り出された時、当然人並みに性欲はあった俺は、金で買える女を漁っていた。
金さえ出せばいい女は、後腐れもなく、気兼ねもいらず、楽だった。

だが、まっとうな社会人はそういう生活を続けていてはいけないらしい。

すぐにそれと悟った俺は、とりあえず金で買うのはやめることにした。

だが、それでは一度味をしめた身が収まらない。

煩わしいのを覚悟で、俺は寄ってくる女に手を付けることにした。

適当に、女が望むセリフを言い、食い物を与え、物を与えれば、女はそれで満足する。
そして、すぐ身を任せてくる。
ある程度過ぎ、女が俺の私生活に踏みいろうとしてくると、後腐れのないように気を付けて、すぐに別れる。

俺は、それを繰り返した。

あまり噂になるのを恐れて、同じ社内の人間を避け、ヘンな噂を流さないような女を選んで付き合った。

別に、恋愛感情とやらがあるワケでもないし、用があるのは身体だけだったから、どんな女でもえり好みはしない。

条件さえ合えば、適当に付き合って、別れる。

それを繰り返していった。
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