十三日間
九日目 「僕」
「うぅぅぅ…………っ」

階段を、また一段。

それから、たくさんの人。
僕の前を足早にただ、通り過ぎて行く人々の群れ。
たくたんの女の人。
僕の前で立ち止まり、またすぐ過ぎ去っていく。

僕は、日増しに夢の内容を覚えている自分に気付いた。
スクリーン越しに見ているような奇妙な感覚だったけど、断片的に思い出せる。

今日はあまりうなされることもなく、目覚めることが出来た。

昨日、早く寝たのが良かったのかな?
と考えようかと思ったけど、やめた。
うなされる内容は、夢の中身によるものだ。
僕が何をどうしようと、夢の中での出来事が、ツライものであればうなされるし、そうでもなければ、そんなにうなされたりしない。

僕の行動、僕の考えは関係ないんだ。

僕は起きあがって、ため息をついた。

みくるちゃんのラベンダーも、実は何の効果もなかったってワケ。

それでも、僕はきっと今夜もあれを使うだろうな。
気休めでもいいんだ。

みくるちゃんが、僕のためを思ってくれたものだから。
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