十三日間
「おはよう!」
今朝は、ことさらに明るく母さんに挨拶する。
「伶ちゃん、大丈夫? よく眠れた?」

やっぱり心配してた。

「大丈夫だよ。今朝はうなされてなかったでしょ?」
僕はそう言ったものの、やっぱり寝汗はかなりかいていたので、シャワーは浴びに来ていた。
「それならいいんだけど…。つらかったら、学校休んでもいいのよ?」

いやいやいやいや、とんでもないっ!
みくるちゃんに逢えなくなっちゃうじゃん!

「大丈夫だってば。何かヘンだったら帰ってくるよ。ね?」
僕は、一生懸命満面の笑顔を作って、シャワーに向かう。
せっかくみくるちゃんに逢えるってのに、休むなんてとんでもない!

シャワーをたっぷり浴びて、さっぱりした僕は、部屋に戻ると、机の上のネックレスを真っ先に身につけた。

みくるちゃんからもらった、お揃いのネックレス。
僕とみくるちゃんの絆。

…そ、そんなたいそうなものでもないんだけど、やっぱり嬉しいもんね。

僕は一人照れ笑いをして、身支度を整えた。
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