十三日間
部活の時間まで、僕はどよ~んとしていたらしい。
秀悟が肩を叩いて声をかけてくる。
「伶、おまえにしてはよくやった。頑張った! …あはは」

最後に笑いが出るあたりが、ひっかかるんですけど。

「でもさ、ちょっと脈アリっぽくないか? おまえの為に買ってきたんだろ?」
「…やっぱりそう思う? もう自惚れかなぁと思ってたけど……」
微妙に自信回復。

そうだよね。
何とも思ってないクラスの男子のために、ついでとはいえ買ってきてあげたりはしないよね、普通。

やっぱ、ここで一気にいいムードにもってって、週末デートを目指さなきゃ!

「ま、頑張れよ」
「ちょ、ちょっと待って! それだけ?」
「それだけって…」
「明日も一緒に昼飯食べようぜ~、お願いっ!」

顔の前でパンっと手を合わせて秀悟を拝む。

「…拝まれてもなぁ。まぁいいけど、俺は樹里と一緒にいられるし」
「ありがとう~! 心の友よ~!」
どっかで聞いたようなセリフで、秀悟にお礼をいう。

よっしゃ、今日の夜はまたまた作戦を練らなくちゃ!

あ、でも早く寝て、安眠効果を試して、その話をするってのもいいかもな。

僕は、ハイテンションで夜を迎えることになりそうだ。

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