十三日間
ここに来た時に、最初に俺は、この手にかけた人々に、詫びねばと思った。
彼らを殺したことを後悔し、懺悔しなければ、と。

今、ようやく俺はそうしなければと思い至った。

俺にとっては無関係な、ただの標的であったとしても、他の誰かにとって、大切な存在であったかもしれない人々。

それを、俺は奪ったのだ。

その事を、俺は詫びなければならなかったのだ。

もう、顔も名前も思い出せない彼らに、俺は心の中で詫び続けた。

誰も、許してくれはしない。

判っていても、そうするしかなかったのだ。
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