十三日間
十一日目 「俺」
「くくくくっっ」
いつもよりも濃厚に漂うラベンダーの香りに、俺は夢の続きで笑った。

夢の中でも笑っていたけど、起きてからも笑いが止まらない。

胸一杯に幸福感がふくらんでいる。

こんな気持ちになったことなんて、一度もない。

ただの夢ではあるけれど、俺は夢に感謝した。

だが、俺の笑い声が耳に入ったのか、突然隣のじぃさんが怒鳴り声をあげた

「何がおかしいっっっっ!」

金切り声に近い。

今までなら
「楽しそうだなぁ」
とでも言いそうなものだが。

俺がそう思った時、俺の部屋に朝飯が配られた。
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